地元の福井県勝山を拠点に、世界のトップ選手を相手に挑戦を続ける17歳

17歳の山口茜(福井・勝山高)にとって2014年は節目の1年になったはずだ。初めてA代表でスーパーシリーズを転戦し、8月のユース五輪と9月の仁川アジア大会で国際総合大会を経験。最後はスーパーシリーズ ファイナルまで進出し、出場した上位8人の中で3位となった。世界ランキングは2014年の年始時点の87位から、丸1年後には12位へ上昇。「ここまで上がるとは思っていなかった」と本人が驚くほどで、2季連続でBWFから「最も躍進した選手」に選出されたこともうなずける。

筆者のルーツでもあるので遠慮なく書いてしまうが、山口が暮らす福井は、特に都心との交通面で考えれば、有数の田舎である。新幹線もまだ通っていないし、東京へ飛ぶ飛行機の便もない。そんな所から世界トップと対峙する選手が10代で登場し、しかも拠点を移さずに福井の地から飛躍を遂げている。驚きでもあるし、地元の人からすれば大きな誇りだろう。

山口は、13年のヨネックスオープンジャパン(YOJ)で優勝した。一躍注目を浴びるようになってからしばらくは、数え切れないカメラのレンズや記者に戸惑いを隠せなかった。それが昨年の中頃からは顔見知りの記者には冗談も言うし、メディアが言って欲しそうなコメントを読んで応えるサービス精神も出すようになってきた。いい意味での慣れだと思うし、気持ちの余裕からかそれはプレー面でも発揮されてきている。

世界最高峰の選手だけが感じられる、試合を楽しむ瞬間。
相手に勝つことでさらなる高みへ。

山口がよく使うワードに「試合を楽しむ」というものがある。ともすれば「戦いに楽しさなんていらない」と批判する人もいるが、言うまでもなくヘラヘラとした楽しみではない。聡明な彼女は、自分が何をもって楽しくなるのかを理解している。そして、その内容が昨季を通じて変化した。

「14年のベストゲームに挙げてもいい」と語ったのは、現場で観戦した方も多いだろう、YOJのリ・シュエリ(中国)戦だ。ファイナルゲームの末に惜しくもロンドン五輪金メダリストからの金星を逃した試合、つまり負け試合だ。「あの人とあんなラリーができて楽しい、すごい選手にフェイントが決まって楽しいとか、そんな感じ。内容の濃さが楽しさだった」と説明する。バドミントンが大好きな少女が、現状で世界一上手な女性に挑戦し、今まで経験がないほどの好ラリーを2人で完成させたことに、純粋な喜びがあった。そして、あの頃はそこで満足していた。たとえ敗れても。

しかし後半戦からは、それだけでは満足できなくなっていった。YOJ直後のインドネシア、オーストラリアで連続の1回戦負け。日本からの3連敗をきっかけに、勝利への渇望が芽生えていく。9月のアジア大会前あたりでは「いい試合ができても勝ちきれない」と悩み、原因を突き詰めていった。

お知らせ

◆ バドミントン スーパーシリーズプレミア 全英選手権2015
リオ五輪出場権獲得ポイントレースを控え、世界トップの選手達がバドミントン発祥の地に集結!

  • 3月6日(金)午後11:00〜 全英選手権2015 準々決勝 J SPORTS 3
  • 3月7日(土)午後 7:00〜 全英選手権2015 準決勝 J SPORTS 3
  • 3月8日(日)午後 8:30〜 全英選手権2015 決勝 J SPORTS 3
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