73kg級は2013年リオ世界選手権王者大野将平と、2011年パリ世界選手権と2014年チェリャビンスク世界選手権を制した中矢力、2人の日本代表がトーナメントを席巻。強豪打ち揃うこの階級にあって他に相手がいないというほどの強さを見せて両者がともに勝ち上がり、決勝で対決することとなった。放送では日本が誇るチャンピオン2人の強さをたっぷり味わってもらいたい。

わけても注目したいのは大野の「これぞ柔道」と言わんばかりの勝ちっぷりの良さ。二本持ち、釣り手の手首を動かし、間合いを整えては大技を撃ち込む。組ませてもらえているのに勝てる気がしない、どの方向に動いても投げが飛んでくる、切らせても貰えない、中途半端な技は全て切り返され、最後は立ち上がるのが嫌になるほどの勢いで叩き付けられる。相手は「どちらが強いか」を骨身に染みて理解しただろう。切り離して組み手で一方的優位を作ることに腐心する現代柔道とは全く位相が違う、「強さ」そのものが畳にあるとでもいうべき6試合、まさしく必見だ。

理詰めに相手を追い詰めるというその特徴だけでは表現仕切れない中矢の爆発力も素晴らしい。互いを良く知る王者2人が相手のやり口を十分呑みこみ、その上で戦いを組み立てた決勝の肉体的対話は「勝負」の醍醐味そのものであった。

大野のお薦めの試合は、ワールドツアーに皆勤してポイントを細かく稼いで第1シードの座にまでたどりついたセージ・ムキ(イスラエル)を「技有」1つに「有効」3つとボコボコに投げつけた準々決勝と、絶好調のアン・チャングリム(韓国)を2度畳に叩きつけた準決勝。中矢は前年度決勝で対戦したホン・カクヒョン(北朝鮮)を「一本」で退けた準決勝が面白い。

2人以外では世界ジュニア王者のアンに注目。サインジャルガル・ニャムオチル(モンゴル)を2度豪快に担いだ準決勝は本トーナメントのハイライトと呼ぶべき一番だった。

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古田 英毅
柔道サイト 「eJudo」編集長。国内の主要大会ほぼ全てを直接取材、レポートを執筆する。
コラム「eJudo's EYE」の著者でもある。自身も柔道六段でインターハイ出場歴あり。J SPORTSワールドツアー中継ではデータマンを担当。

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初回放送:男子73kg級/女子57kg級
9月9日 (水) 午後10:00〜 J SPORTS 1
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