世界中の新星が集う最も大きな大会。とても嬉しいことがありました。初出場の本田真凜が、ショートプログラム(以下SP)・フリースケーティング(以下FS)共に完璧な演技を揃えて、日本人女子選手7人目の世界ジュニア金メダルを獲得しました。樋口新葉も気迫の演技で2年連続のメダリストに。初出場の白岩優奈もにこやかに堂々の4位入賞。こちらでは上位5人の演技を中心に振り返ります。

1位 本田真凜(日本)
192.98|SP 66.11 2位|FS 126.87 1位

本田真凜(日本)

日本人では2010年の村上佳菜子以来の世界ジュニア金メダルを、14歳の選手が獲得しました。本田真凜は、小学生時代から「自分の魅せ方」を確立し、高難度のジャンプにも挑戦。ノービスでありながらFS100点超えの演技も披露し、早くから観客の注目と喝采を浴びてきた選手。今シーズンは昨年12月のISUジュニアグランプリファイナルで3位となり、その勢いをさらに伸ばして、シーズン集大成の場で早くも世界のトップに立ちました。総合得点はジュニアでありながら「192.98」と、シニアのトップ選手が出す200点台も夢ではない得点を打ち出しています。

SPは、『Spring Sonata No.5』。振付師のマリナ・ズエワが、いつかぴったりの選手が現れることを待って温めていたというプログラム。そんな素敵な贈り物を、本田は大舞台で見事に演じました。巧みなエッジワークで表現を生み、優しく柔らかい「春」を氷の上に描きます。冒頭の3ループ+3トゥループをふわりと舞うように跳び、工夫した入りからの2アクセル、3フリップも完璧。ノーミスでロシアのアリサ・フェディチキナと同じ66.11点という高得点をマーク。技術点の勝ったフェディチキナが1位となり、本田は2位発進となりました。

FSは、ティム・バートン監督のカルト的な人気を集める映画『ビートルジュース』。面白い選曲で、ポップなホラーテイストをチャーミングに演じます。冒頭の3ルッツは入り方と降りた後が工夫されており、続いて、流れに乗り迫力のある3サルコウ+3トゥループを跳び、+0.9点・+1.2点と両方で大きな加点を得ます。柔軟性を生かしたステップシークエンスでは、リズム感もよく曲のムードを巧みに表現。後半に組み込んだ3フリップ+2トゥループ+2ループ(2ループは片手を上げる)と2アクセル+3トゥループを含む5つのジャンプも全て成功させ高い加点も得ます。指先、表情、全てを生き生きと輝かせて、最後までスピードをもって演じ切りました。ジュニア選手にとって最も大きな試合で「自身初」の2日間連続のノーミスの演技でパーソナルベストを更新。

澤田亜紀コーチ(関西大学)による「内に秘めて燃やし、あまり多くの感情を表に出さない」という選手評のとおり、大会を通して平常心でベストを出すことに集中している印象を受けました。また、彼女の演技の中のポジションやジャンプは、全てナチュラルな流れに乗っていました。花が咲き、満開になり、風が吹いて、花びらがぶわっと舞い散る――そんな、自然の美しさがあります。自信に満ちたこれからの彼女の新しい挑戦や活躍が、本当に楽しみです。

2位 マリア・ソツコワ(ロシア)
188.72|SP 64.78 3位|FS 123.94 3位

5位入賞の昨年に続き、2回目の世界ジュニア出場。優勝を狙います。成長期の15歳、この1年でぐんと背が伸びて170cmになりました。

SPの使用曲『Black Magic Woman』は、フリートウッド・マックのブルース曲を、サンタナがサンバ色を入れてカバーしたもの。少しハードでスタイリッシュな黒の衣装を身に纏い、危険な雰囲気の女性を演じます。スカートはフリンジで、振付にもサンバのエッセンスが入っています。昨シーズンまでは儚げで可憐なイメージのあった彼女ですが、めっきり大人っぽく、演技にも芯が入りダイナミックなイメージに進化。冒頭に+1.0点の加点をつける綺麗な3ルッツ+3トゥループを跳び、2アクセルと3フリップは後半に組み込んで成功させました。しかし、フライングシットスピンとレイバックスピンでそれぞれレベル2レベル3と点を取りこぼし、素晴らしい演技ながら僅かな差で首位スタートとはなりませんでした。

そしてFSの日には、SP1位につけていた同じロシアのアリサ・フェディチキナが当日のウォームアップ中の怪我で棄権となり、急遽ソツコワひとりの肩に 「2位以内に入り、ロシア女子の来年の出場枠3枠を得る」というプレッシャーが掛かることとなりました。そんな中挑んだFS『ロミオとジュリエット』。SPに引き続きスタイリッシュな一風変わった衣装で臨みますが、前日とは全く違った、しっとりとしたバレエ的な振付で柔らかに表現していきます。3ルッツ+3トゥループ、3フリップ+1ループ+3サルコウ、2アクセル+両手を上げた2トゥループと高難度のジャンプも次々と舞うように成功させ、プログラムは良い流れで進みました。演技を終えると、肩の荷を降ろしたような安堵の表情を浮かべました。最後のジャンプである2アクセルが回転不足となり、この日もフライングシットスピンとレイバックスピンがレベル3であと少し稼ぎ切れず、FSの順位は3位となりましたが、総合2位でロシア女子の出場枠「3」を守り、自身初の表彰台を喜びました。

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