ドイツにおけるここ10年の最大の番狂わせといえば、2008年12月、2部から昇格したばかりのホッフェンハイムが「秋の王者」(前期王者)になったことだろう。

ホッフェンハイムの運命が変わったのは、1989年、まだチームが8部にいたときのことだ。ソフトウェア企業「SAP」の創立者のひとり、ディトマール・ホップ(総資産約7800億円)が資金的な援助を始めたのだ。

最初はサッカーボールの費用を負担する程度の支援だったが、次第に経営にのめり込んでいき、2006年夏、クラブが3部いるときに名将ラングニックを招聘した。

ここから進化のスピードが加速する。

ラングニックを中心に「プロジェクト・ホッフェンハイム」を開始。ドイツ代表のメンタルトレーナーのハンス・ディーター・ハーマン、陸上出身トレーナーのライナー・シュレイ(現ドルトムント)、ホッケーW杯優勝監督のベルンハルト・ペータース(現ハンブルガーSV)といった実力者を集め、最強の強化体制を築いた。

目先の結果にとらわれず、インフラと指導人材に投資したことを、ホップは誇りに思っている。

「アブラモビッチは、もともと存在するビッグクラブ(チェルシー)を買収した。私にもそれだけの資金がある。しかし、私は底辺からのし上がっていくのが好きなんだ。商売でも、クラブ経営でも、自分の手で作り上げなければ気がすまない」

ラングニックが指揮をとってわずか1年で昇格し、2年目には1800万ユーロ(約23億円)もの移籍金を投じた。すると2部で2位になり、ついに1部への昇格を果たした。

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