2016年5月に高橋成美選手と柴田嶺選手のペア結成が発表されました。柴田選手の現役復帰、そしてペア初挑戦は日本中のスケートファンを驚かせました。注目のお二人のインタビュー前半では、気になるペア結成までの経緯や柴田選手のプロスケーターとしての生活について伺いました。

柴田嶺選手&高橋成美選手 @ Fox Valley Ice Arena

柴田嶺選手&高橋成美選手 @ Fox Valley Ice Arena

以下、高橋(敬称略):高橋成美選手(2012年世界選手権で日本のペア選手として初めての銅メダルを獲得。24歳)
柴田:柴田嶺選手(2002年全日本ジュニア選手権優勝、ペアに転向し7シーズンぶりに現役復帰。29歳)

「美しいライン」を極めることを目指し、ペア結成へ

――まず、結成の経緯からお聞かせ下さい。

高橋:私は元々シカゴ(Fox Valley Ice Arena)で練習をしていて、パートナーを探してたんですけど、コーチであるステファニア(ステファニア・ベルトン)が、私の滑りを見ながら「この世の中に、ナルの綺麗なラインに合うパートナーが存在しないかな」って言っていたんです。それで、綺麗なラインといえば柴田嶺くんだったから「柴田嶺って人がいるよ」って、……ただ嶺くんも引退しているから冗談半分で言ったんです。そうしたら「今すぐメッセージしなさい」って言われて。「ダメだろうな」と思いつつも、勇気出して嶺くんに「ペアで一緒に滑らない?」ってメッセージしたのがきっかけでした。

――その高橋選手からのメッセージが届いた時、柴田選手はどのように思われましたか?

柴田:複雑だったんですけど……。そもそもナルちゃんと知り合ったきっかけも偶然みたいなものでした。ずっと選手として知ってはいたんですけど、話したことはなかったんです。僕は去年の今頃に『Hot Ice』というイギリスのアイスショー(6月〜9月開催のイギリス国内公演)に出演していて、そこで(共演者として)知り合ったアメリカ人の女の子の家に、ナルちゃんがホームステイしていたんですよ。そこのお母さんがイギリスのショーを見に来て、DVDを買って帰って、そのDVDを見たら僕が出ていたので、ナルちゃんがフェイスブックで初めて連絡をくれた、というのが話すきっかけになりました。その時は全然ペアを組むということではなくて、「お互いがんばろうね!」という感じで、ただ単にフェイスブックで繋がったというだけだったんですけど。

柴田:そして今年の3月、僕がショーとショーの間にドイツから帰国している時に、ナルちゃんから「ペアをやらない?」という連絡が来ました。連絡をもらう前は、ペアをやることはまったく考えていなかったです。メッセージが来た時も、ゼロからのスタートだったので「どうしよう」と考えていました。ショーで女の子と一緒に滑るのは経験したこともあったんですけど、リフトは腰までしか抱えて滑ったことはなかったですし。でも、興味がないことはなかったので、「ちょっと時間もらえる?」と言って。

――決心したのは何がきっかけでしたか?

柴田:友達や家族に相談したことですね。友達からは「なんでやらない理由があるの?」と言われました。家族は正直心配もしてて、年齢も年齢だったので「大丈夫?」と言われました。やはり、お金もかかることなので、資金面も含めて親はいろいろ心配してたんですけど、周りのスケーターの友達は後押ししてくれる感じでした。

――主にはどなたに相談されたのでしょう。

柴田:いろいろな方に相談したんですけど、一番相談に乗ってもらったのは、明治大学の後輩の望月梨早です。梨早は『Hot Ice』でも、ドイツ中心の欧州ツアーのアイスショー『Holiday on Ice』でも一緒だったんです。僕は元々シチズン(シチズンプラザ)で滑っていて、梨早は神宮(明治神宮外苑アイススケート場)だったんですけど、関東のスケーターは皆仲良くしてました。

柴田:彼女と同じぐらい相談に乗ってもらったのは、宝塚歌劇団さんの演出家助手の町田菜花です。大学で知り合って、家族ぐるみで仲良くしてもらっています。東京滞在時(柴田選手宅は北海道・釧路)には彼女の実家で過ごさせてもらって、お母様にもお祖母様にもお世話になっているんです。彼女には、スケートとは別の分野の、違った角度の視点で「(挑戦を)どう思うか?」とか話してもらいました。

柴田:ペアを組むにも、トライアウトで試しにいろいろやってみて、本格的な決断はその後だったので、とりあえず「やるかやらないかは別として、トライアウトだけやってみるね!」と4月初めにシカゴに来ました。

――そして、トライアウト。滑った感覚はいかがでしたか?

高橋:滑った感覚はすごく合っていました。お互い意識しなくても同じ動きをしてたり……特にサイドバイサイドスピンは合わせるのが大変なんですけど、そこまで苦労せずにシュッと合ってしまって、「これはすごい合ってるね」って。バッククロスの時の膝を曲げるリズムの間隔もまったく一緒だったので、スピードがすぐ出ましたし、スパイラルを一緒にやって、それがすごく綺麗だったのが一番感動しました。

柴田:僕はペアがどういうものかも分かっていなかったので、トライアウトでは、それが良いのか悪いのかも分からないまま「あれやってみて」「これやってみて」と言われたことを黙々とこなしていた感じでした。でも、ナルちゃんとの性格的なフィーリングの部分はすごく合っていました。初めて会った感じがしなくて、気を遣わなくてよかったので、気持ち的に「一緒にいて楽だな」と思っていました。それから、ナルちゃんのポジションがすごく綺麗なことに感動して。その時はまだリフトも初めてで、先生に支えられながらだったので、綺麗にリフト出来ているかどうかも分からなかったんですけど。後で動画で見て、(高橋選手の演技は)「やっぱり綺麗だな」と思いました。

柴田:3〜4日トライアウトした後、帰国してお互いに考える期間を取り、5月にペア結成を決めてシカゴに来ました。

――ペア結成の一番の決め手は何でしたか?

高橋:トライアウトの時はすごく合ってて、日本に帰ってからは友達として本当に仲良くなったので、会ったりお茶飲んだりして、すごく仲良くなりました。大親友になりました!

柴田:仲良くなったのは1つの決め手です。あと僕にはもう1つ、4年前ぐらいにもオファーがあった、ということもありました。当時、僕は大学に通いながら、赤坂サカスでショーに出演したり一般の方に指導させてもらったりしていたんです(赤坂サカスリンク営業期間中、スケート教室が設けられる)。そこで連盟の方と滑る機会があって、「ペアやらないか?」と、ナルちゃんがパートナーを探していることを聞きました。ただその時はまだ学校もありましたし、海外のショーに出る前で、人と一緒に滑ることもあまりなかったので、その時点ではやる気にならなくて、というか。今回は、学校も卒業して、ショーとショーの間だったので考える期間も十分にあって、「逆に、やらない理由もないかな」と。

高橋:ペアを組むのが決まった時は、飛び上がるほど嬉しかったです!

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