WRC世界ラリー選手権

フランスは1973年のWRC開始から名門ラリーでしたが2008年迄はコルシカ島で開催されていました。コルシカ島は島全体が観光地ではありますが集客能力が充分でなく、ロウブが連続世界チャンピオンの時代に彼の出身地のアルザス地方に移動。フランス本土の集客と近隣のドイツ、ベルギー等の観客を合わせると興行的に有利であると判断されたようで、いわばシトロエンの戦略であったようです。アルザスはドイツラリーの開催地モーゼル地方と地形やコースのレイアウトが似ているので二番煎じの感が否めませんでした。そこでコルシカ人(独特の性格有り、ナポレオンの出身地の誇りを持った人達)の逆襲でコルシカに里帰りをさせたわけです。昔を知っているファンの方々はやはりコルシカでなきゃと思っていると思います。
地中海の中で3番目の大きな島で、海岸で泳ぎながら、3000メートル級の雪山を望むことが出来る景観が素晴らしいリゾート地です。

ラリーコースはターマック、道幅も狭く、なんといっても200メートルの直線を見つけるのが難しいほどカーブがあり、Rally of 10,000 Cornerとも呼ばれます。本当に1万のコーナーがあるかどうか分りませんがフィンランドの1000湖ラリーと同様数え切れないほど多いと思ってください。コースは道の一方が山、他方が崖を切り開いた場所が多く、転落した車が回収できずに残っているのを見かけたことがあります。ラリーでの有名な事故はトイボーネンの転落で、彼は命をなくしました。この事故の後、当時計画されていたグループBの上を行くグループSは開発中止になりました。過去の苦い経験から新生コルシカは極端な危険は避けると思います。

それでも今年のイベントはこのところの平均的なレイアウトをはるかに脱しています。 まず、SS合計距離が390キロと標準より大分長いこと、SS本数がわずか10本、従ってSS1本あたりの距離が長いこと、50キロと30キロがずらりと並びます。最終のパワー・ステージだけが10キロ代です。初日にはタイア交換以外の中間サービスがないことも難しさを増します。160キロをノン・サービスで走破することになります。
VWのオジェにはグラベルに比べハンデは少なく今回は能力が充分発揮できるでしょう。

ラトバラ、ミケルセンは速いドライバーですがターマックが得意なわけではありません。注目はドイツのターマックで充分能力を発揮したヒュンダイの二人、ヌーヴィルとソルドでしょうか。ヒュンダイの監督ナンダンはターマックセットアップが大変上手な人です。
トヨタ時代にはあの難しいセリカをターマックでも走れるようにしたエンジニアでした。今年は全戦参加していないシトロエンも来年に備えて今回2台参加です。来年の本格参戦の目安にもなりそうです。

DaySS本数SSkmLiaisonkmTotalkm
Leg 1(9/19) 4本 157.68 km 358.36 km 516.04 km
Leg 2(10/1) 4本 169.04 km 253.39 km 422.43 km
Leg 3(10/2) 2本 64.20 km 167.45 km 231.65 km
Total 10本 390.92 km 779.20 km 1170.12 km
photo

福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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