やられたと思いましたよ。
ヤツはさすがに早かった、というか速かった。それもいきなりだから、悔しさや驚き以上にその見事さに感服して拍手までしてしまった。(パチパチ、心の中で)

分かりますよね、ニコですよ、子ケケのニコ。元F1チャンピオンのケケ・ロズベルグの子供、2016年のF1チャンピオンに輝いたニコ・ロズベルグの引退表明。表彰式の場でいきなり【引退します】。そんじょ、そこらの若い衆にはできない芸とうですよ。それも、チャンピオン獲っていきなりなんて、勝ち逃げは、賭け事だったら叩かれますよ。

そろそろ終活を始めなくてはと考え始めていた者にとっては、羨ましいばかりの引退宣言ですよ。まだ31歳でしょ。ついこの間、ツインリンクもてぎの南コースでルイス・ハミルトンと一緒にメルセデス・ベンツの育成プログラムを受けレーシングカートのCIKワールドカップに出ていたと思ったら、F3やって、GP2やってあれよあれよという間にF1にステップアップして11年間。そして頂点に立ったらGood byeですよ。われわれ、初老の者達にとっては10年などアッという間の出来事。アインシュタインの相対性理論から引くと高速で移動している人はゆっくりと移動している人よりも長い時間を過ごしているらしい。F1でニコが206戦闘っている。仮に1戦あたり1分長く生きたとしよう。206戦=206分=3時間26分。これって、他の人よりも長く生きたと言えるけれど、それほど長くもないよな。

さて、ニコのお父さん、口髭がトレードマークのケケは、息子の決断にどう思っているのでしょうか。誰か教えて下さい。

アメリカンレーシングのリジェンドファミリー、アンドレッティ家のマイケル・アンドレッティが引退を父のマリオ・アンドレッティに告げた途端、マリオは、「Why?!(どうして?!)」と叫んだそうだ。マイケルはそのことに対して「ダディーは、ボクの気持ちを全く理解してくれていなかった」と嘆いていた。ケケのリアクションは、「Why?!」か「All right! understood!」だったのか。興味ありますね。

などと、他人の引退についてあれやこれやと考えている暇があったら自分の終活に邁進しないとそれほどの時間は残っていないことが分かった。ましてや、人よりゆっくりな動きをしているから人より短い時間で生きている可能性があるのですよ。例のアインシュタイン博士の理論が正しければね。

ニコの将来に弥栄。

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高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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