高校ラグビー

古くて新しい論争がある。「負けたら、それでおしまい」の是非である。花園の高校ラグビーとその予選、それだけではなく、夏の甲子園決勝を頂点とする野球など各競技のトーナメント制の功罪は長く議論の対象となってきた。いま「論争」と「功罪」と書いたのは、本当は、そうでもなくて、このことに関して強い意見を有する人の大半は「トーナメント1回戦で敗れたら青春が終わる」システムに懐疑的だと想像できる。

確かに、人間には、とりわけ若者には、失敗のあとに「挽回」の機会が与えられたほうがよい。それが筋だ。「地域リーグ」なら、それも、おおむね実力の拮抗したチームによるそれならば、負けても次の週に勝つチャンスはめぐってくる。そこで、なぜ前の試合はうまく運ばなかったのか、どこが悪かったのか、を反省できる。それは、すなわち「成長」ということだろう。

2012年、明治大学野球部の元主将の話を聞いた。かの島岡吉郎監督(故人)の薫陶を受け、卒業後、大企業の幹部となり、審判としても名をなした人物は、雑談だったので細部の記憶は屈折しているかもしれないが、大略、こんな経験を語った。六大学野球の公式戦、新人で下位打線に起用され、大事な場面で見逃し三振、島岡監督は激怒、合宿所に帰ると、朝まで素振りをしていろ、と命じた。本人は寝てしまうので「監視」があるわけではない。それでも、なんとなく朝まで練習スペースにいた。夜が明けて、「御大」と呼ばれた個性派の監督はいきなり言った。「きょう、四番だ」。その試合で貴重な安打を放つ。

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