結果が出ていない時期は、「攻撃が個人頼み」「チームの形が見えない」と酷評されたが、これはメリットとデメリットの両面から見たほうがいい。チームの決め事が多く、形がハッキリしすぎると、控え選手を入れてターンオーバーしたときに同じ組織力を発揮できず、ガクッと質が落ちる一面もある。これはザッケローニが作った日本代表に、細かい決め事が多く、なかなか新しい選手がフィットできなかった事例にも表れている。

逆に、モウリーニョのように攻撃の選手に自由を与えると、個に依存する傾向はあるものの、一方ではチームの型がゆるいので、選手の個性を組み合わせるだけでターンオーバーが容易だ。今回はイブラヒモヴィッチとポグバを休ませ、1トップにラッシュフォード、トップ下にルーニーを起用したが、これはこれで、ルーニーのパス能力とラッシュフォードの飛び出しが生き、スピード感のある組み合わせになった。イブラヒモヴィッチとポグバにはない、長所の発揮。それはチームの型がゆるいから、できることでもある。

プレミアリーグの監督として、選手層が厚いチームの監督として、そして、初シーズンの監督として。今のところは良い方向性だろうと思う。

あとはシーズン後半戦、強豪クラブとの対決で、モウリーニョならではの分析と対抗戦術がどのように発揮されるだろうか。その礎となる選手の組み合わせは、日々バリエーションが増えている。今後の伸びしろが楽しみだ。

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清水 英斗
サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』、『サッカー観戦力が高まる〜試合が100倍面白くなる100の視点』、『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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