ところが、ある運命のいたずらが彼の人生を大きく揺り動かす。中学3年生の春。FCバイエルンツネイシのメンバーとして臨んだJFAプレミアカップ。そのグループリーグで同じグループに青森山田中が同居する。キャプテンだった高橋壱晟を筆頭に、小山新や三国スティビアエブスらもスタメンで出場していた相手に0-1で惜敗したが、その試合でのパフォーマンスに目を付けた青森山田からセレクションを兼ねた練習会参加の打診があった。それでも住川の希望校は兄と同じ高校だったため、結局参加は見送ることになったが、母は「レベルの高い所に飛び込んでみたらどう?」と息子に問いかける。実は以前にも「チームをやめたい」という想いに駆られた時に、必死で止めてくれたのも母だった。親元を離れる不安はあったものの、最後は「自分がやれる所までやってみよう」という決意が勝った。住川は住み慣れた広島を後にし、小学生の頃には想像もしていなかった本州最北端の強豪校へ飛び込むこととなる。

「洗濯でも何でも1人でやるということを全然イメージしていなかった」という寮生活のスタート。親のありがたみを日々痛感しつつ、サッカーに打ち込む日々を送っていた住川だが、全国屈指の実力を有する青森山田サッカー部には優に100人を超える部員が在籍しており、下級生がトップチームでの出場機会を掴むのは至難の業だ。もちろん自分なりに努力は重ねていたとはいえ、住川の1年時はインターハイで、2年時は高校選手権で共に全国ベスト4まで勝ち上がるような実力者の居並ぶメンバーの中に、彼が割って入るような余地はなかった。1年前の高校選手権準決勝。埼玉スタジアム2002のピッチで何人もの同級生が躍動するのを、ただ見つめることしかできなかった住川。気付けば残された青森山田での時間は、わずかに1年となっていた。

「みんなと一緒の練習をしているだけでは同じラインにすら立てない」と気持ちを新たにした住川は、練習量を圧倒的に増やしていく。朝練でも午後の練習が終わった後でも、とにかく自主練に励む日が続く。「自分は線が細いんですけど、筋トレもやって来ましたし、左足というのは右足と違って独特な所もあると思うので、そういう所で自分の利き足の左足をドリブルでもパスでももっと生かしていくための練習はしてきました」という努力は、「人が見ていない所でどれだけできるか」という自分なりのテーマに沿って行ったもの。それもすべては「試合に出るためにここに来た」という強い想いから。必死の練習の甲斐もあって、プレミアリーグでは開幕からベンチ入りが続くが、なかなか出場機会が回ってこない。第4節でようやく初出場を果たすも、以降も大半はベンチでタイムアップを迎えるか、ラスト5分程度の途中出場。インターハイの県予選ではスタメン起用もあったそうだが、「そこであまり良くなくて“クビ”になりました(笑)」とのこと。定位置を確保できないまま、チームはプレミアリーグ制覇とチャンピオンシップ制覇も経験し、とうとう高校生活最後の選手権が到来する。

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