『Foot!』Five Stories〜下田恒幸(前編)〜

1991年9月24日宮城県民会館にて『Mr.BIG』と。

『Foot!』で月曜から金曜までそれぞれMCを担当している5人のアナウンサーに、これまでの半生を振り返ってもらいつつ、どういう想いで今の仕事と向き合っているかを語っていただいています。
五者五様の“オリジナルな生き方”を感じて戴ければ幸いです。


¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨

Q:まずはお名前をお願いします。

A:下田恒幸です。

Q:生年月日と出身地もお願いします。

A:1967年8月18日。東京都町田市生まれです。

Q:まさかの誕生日が一緒なんですよね(笑)

A:確かにそうですね(笑)

Q:最初にご両親のご職業から教えていただけますか?

A:父は富士通の社員で、母は専業主婦です。ただ、母も富士通に務めていて、職場結婚でした。父は定年まで勤め上げて、最後は嘱託で何年かやったかもしれないですけど、普通のサラリーマン家庭です。

Q:小さい頃はどういう子だったんですか?

A:落ち着きのない子だったんじゃないですかね(笑) 落ち着きがないのと、割と感情が表に出るタイプだったのかなと。遊ぶことに関しては活発だったと思います。幼稚園の時に図工みたいなことをやって、「紙をうまくバラして切りましょう」というような題材を与えられた時に、1つずつ切ればいいのに、外側の大枠だけ切っていったということは覚えています(笑) 「気持ちはわかるけどこうやろうね」というようなことを先生に言われた気がします。何でこんなことを覚えているんでしょうね(笑) ただ、世代的にはベビーブームで、僕の1つ上は“丙午”なんです。東京オリンピックの前後からは子供がたくさんいた時代で、ずっと上り調子だった中で、1966年だけはそこに出産が来ないようにバースコントロールをした人が多かったはずなんです。その反動で子供がとにかく多かった世代で、ウチの実家のエリアには20世帯ぐらいが集まっていたんですけど、同級生が5人いたんです。そういう世代ですね。

Q:Wikipediaを拝見すると、小学校3年生でサンパウロに引っ越したという記述がありましたが(笑)、その前の1,2年の頃はどんな小学生だったんですか?

A:普通の小学生です(笑) 父親の影響で巨人は好きで、長嶋茂雄監督体制で最下位になった年の翌シーズンの選手名鑑を初めて買ってもらったんです。小学校の同級生の子の家に遊びに行った時に名鑑があって、「こんなのあるんだ!」と知ったので、父親にねだったら買ってきてくれて、そこから野球ファンになりました。あとは剣道をやっていましたね。ウチのすぐそばの幼稚園にあった体育館みたいな所を使って、剣道教室を始めた人がいたんです。その話を聞いたウチの母と友達のお母さんで「剣道やらせる?」という話になったらしく、その友達と一緒に教室へ行きました。筋はたぶん良くなかったと思いますけど、結構楽しくて面白くて。剣道は稽古が終わった後に、正座しているとお茶が出るんですよ。そうすると“お茶請け”で、黒糖の麩菓子みたいな甘いお菓子があるじゃないですか。それを食べられるのが嬉しくて「剣道楽しいな」と(笑) 僕はやる気満々で続ける気も満々だったんですけど、そんなタイミングで父が転勤になったんです。他にも「字が上手い方がいいだろう」ということで、家の近くの書道教室にも通っていました。

Q:剣道と書道少年だったんですね。

A:書道はその流派の展覧会をやった時に、ちょっとした賞を獲ったことはあります。僕はそういう“最大瞬間風速”的なことはちょくちょくあって、小学1年の時は町田市の交通安全ポスターで表彰されたことがあります。ただ、その後の僕の美術的なセンスのなさが凄いんですよ(笑) 「おかしいなあ。あの時は賞を獲ったのになあ」って。だから“一発屋”ですね。何かものすごく取り柄がある訳ではなく、何かが一瞬飛び抜け掛けるけど、続かないみたいな感じの子供だったと思います(笑)

Q:巨人で好きな選手は誰だったんですか?

A:王貞治選手です。王さんのサインを真似して書きましたよ。当時の『小学1年生』や『小学2年生』という本は、子供たちのトレンドというかマストアイテムで、みんな買っていたんです。そこに王さんの伝記漫画が描いてあって、「王のサインはこう書く」みたいに、ご丁寧に書き順まで書いてあって(笑) それをみんなで書いていた時代です。長嶋さんはもう監督でしたし、僕が野球を認識した時は王さんがいて、柴田(勲)、高田(繁)、張本(勲)がいて、堀内(恒夫)がエースで、新浦(壽夫)がいて、という感じですよね。

Q:ちょうどV9が終わった頃ですよね?

A:そうです。長嶋巨人のリーグ戦V1とV2がちゃんと見始めたタイミングでした。両方とも阪急に日本シリーズで負けるんですけど、その時の日本シリーズは学校から帰ってきて見ていましたね。「山田(久志)憎し」「足立(光宏)打てない」みたいな(笑) その時代ですよね。

Q:野球はやろうという感じではなかったんですね。

A:遊びレベルではやっていましたけど、野球チームに入る訳ではなかったです。でも、“できた風”に見せたがる子だったので、すぐ仕切りたがるんですよ。仕切っている割にそれほど運動神経は良くないんですけど、ピッチャーをやりたがったり。ただ、小学校3年ぐらいの頃に同級生でメチャメチャ球の速い子がいて、その子を見て「自分には無理!」と思ったので、「野球はやらなくていいかな」と感じた覚えはあります。

Q:小学校3年生の時にサンパウロへ行かれるのは、完全にお父さんの転勤ですよね?

A:そうです。2学期いっぱいまで日本にいて、3学期の頭からブラジルの日本人学校に編入しました。

Q:最初「ブラジルに行く」と聞いた時は、どう思ったんですか?

A:ビックリしますよね。当時は今と比べてもほとんど情報がなくて、「治安とか大丈夫なの?」という話にもなりますし、学校でもみんなに脅されたりしていたので、ずっと不安でしたよ。そもそも近代都市というイメージがなくて、サンパウロがどんな場所かもわからないですし、“ジャングルがあって”とか、そういうイメージで行ったらメチャメチャ都会でした(笑) 当時は4年間ブラジルに行くことが決まっていたので、父親的には1人だと大変なので、「家族に来て欲しい」という気持ちがあったのではないかなと思います。

Q:実際に最初に行った時にサンパウロでの生活はいかがでしたか?

A:僕は意外と平気でした。むしろ楽しいというか、何でも見るものが初めてでしたし。ただ、転校して行っているので、そういう不安感はあったと思います。給食もないので、母は4年間毎日お弁当を作るのは大変だったんじゃないでしょうか。そういう所が変わりましたよね。でも、「日本に早く帰りたいな」というような感じはなかったはずです。ブラジル時代にマイナスイメージはないんですよね。

Q:じゃあ基本的には楽しい毎日という感じだったんですね。

A:何しろ僕の人生を変えたのはブラジルですからね。ブラジルに行っていなかったら、たぶんこんなにサッカーにも向き合っていないですし、アナウンサーにもなっていない可能性が高いので、あそこに行ったことは色々な意味で僕の人生の転機だと思います。

Q:パッと思い出すブラジル時代の思い出ってありますか?

A:何だろうなあ。でも、あれだけ野球が好きだったのに、こんなにサッカーを好きになれるのかというのはありますよね(笑) あとは色々なものが新鮮で、例えばサンパウロの日本人学校は校舎がクラスごとにバラバラなんです。日本だったら1つの建物の中に教室があるじゃないですか。サンパウロの校舎はキャンプ地のロッジみたいな感じなんです。ものすごく広大な敷地の中にロータリーがあって、そこに職員室があって、そこから歩いて行った所に平屋の教室が点在していて、その教室に1クラスずつ生徒がいるような感じです。それがまず新鮮ですよね。

Q:そんなの見たことないですよね(笑)

A:あとはやっぱり敷地が広大なので、グラウンドが広いんです。遊ぶ場所もいっぱいあると。だから、ドッジボールをやるにしても、サッカーをやるにしても、日本では考えられないくらい好き放題できる場所だったと思います。

Q:小学校は市街地にあるんですか?

A:いえ、丘の上にあるんです。カンポ・リンポという丘の上にあって、だいたい日本人の駐在員が住んでいるエリアというのは、ある程度何ヶ所か決まっているので、そこにいくつかバス停を設けて、その近辺に住んでいる日本人学校の生徒がバスに乗っていくというシステムになっていて、僕が住んでいたのは割と街のど真ん中でしたけど、そこから学校までバスで1時間くらい掛かる所だったんじゃないですかね。インパクトがあったのは、丘の上に学校があったので、最後がものすごい坂なんです。最後の坂を上がり切って、ちょっと行った所に小学校があったので、必ずその坂でバスの運転手の方がグーンとふかして、ギアを二速に落とすんですよね。ものすごくふかさないと上っていけない坂だったのは覚えています(笑) 実は治安が悪い場所で、自分が日本に戻ってきたぐらいのタイミングで、学校の周りの塀に鉄条網を作ったんじゃなかったかな?実は「勝手に学校の外へ出ちゃダメ」というようなエリアだったらしいですけど、僕が住んでいた頃はブラジル全体もそこまで治安が悪くなかったので、住んでいて危険を感じたことはなかったです。

お知らせ

16/17 イングランド プレミアリーグ

◆ 16/17 イングランド プレミアリーグ
強豪クラブがひしめく世界最高峰プレミアリーグの注目試合を毎節5試合放送!!
プレミアリーグ相関図はこちら »

また「デイリーサッカーニュース Foot!」では、月曜日〜金曜日までサッカーファンに必見の情報をお届け!
詳しくはこちら »

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ