その最大の理由は米国やドミニカ出身の選手に比べて、メジャーで活躍する日本人の絶対数が少ないことにあると思う。日本人選手がどんなに活躍していても、メジャーリーグ全体から見ればほんの一握りだし、まだ珍しい。そして、それは日本人メジャーリーガーがメジャー全30球団にいるような状況にでもならない限りは変わらないと思う。

だから、どんなに日本が勝っても「なかなか強い」という微妙な感じが消えない。第二回大会の準決勝で日本が米国に完勝してもそれは変わらなかったし、今大会の第2ラウンドで侍ジャパンがメジャーの主力選手がいるオランダ代表やそれに準ずる実力を持つイスラエルを撃破してもそれは変わってない。過去三回のWBC同様、メジャーリーグは相変わらず、日本代表で活躍する選手たちを「今すぐメジャーに来たら〇勝できる」などと評価する程度に留めている。

日本が準決勝で米国を破り、決勝でプエルトリコ対オランダの勝者を連破しても、そういった見方はきっと変わらないだろう。北中米の人々にとっては、日本が優勝すればBig Upset=番狂わせとなるはずなのだが、WBCの位置付けが変わらない限り“北中米のメジャー軍団=強者”に対する“アジア王者=弱者”の構図は永遠に変わらないと思う。

だから、もしも日本がWBC決勝ラウンドで二つ勝って優勝したら、日本代表の誰かが、アメリカのテレビに向かってこう言い放って欲しい。

「日本の野球が世界で一番強い! 誰が何と言おうが、メジャーリーグよりも強いんだっ!」と。

かつてアントニオ猪木が「プロレスこそ最強の格闘技」と公言して異種格闘技戦を行ったように、「日本プロ野球こそ世界最強だ!」と宣言してしまえばいい。そして、「日本はなかなか強い」と思っている北中米の人々や、メジャーリーグに詳しいがゆえに同様に感じてしまう日本のメジャー・ファンの人々の気持ちを波立てさせて欲しい。「日本は世界最強である。いつ何時、誰の挑戦でも受ける」と言い放って、真にガチンコ勝負のWBCや、プレミア12のようなほかの国際大会の開催に布石を打って欲しいと思う。

(文中敬称略)

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ナガオ勝司
1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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