先週は、鈴鹿サーキットで行われた全日本F3選手権シリーズ第10戦、第11戦を取材して来ました。名門チームのトムス所属のドライバー、坪井 翔選手が初優勝、二勝目を達成、今シーズン3人目のウイナー誕生となりました。そう、これまでのシーズン前半は、高星明誠選手とアレックス・パロウ選手しか勝っていなかったのです。ようやく3人目登場という状況です。

さて、チームのエンジニアさんと話していて面白いと思ったことがあります。
ラバーグリップについてです。

レースの解説で、路面状況を言っているのを聞いた事があるでしょう。現在の高性能タイヤは、ドライコンディションでは、トレッドに溝のないスリックタイヤを使い、このタイヤは、摩擦と熱でトレッド表面が溶けて粘着力を発揮し、その一部が路面に食い込み、せん断力で一部が路面側に着く。これとタイヤカスが出ることでタイヤトレッドは減るのです。トレッドゴムが路面に付着するとグリップが上がります。これがラバーグリップです。

エンジニアさんが「今日のラバーグリップは良いのですよ。併催イベントのブランパンGTシリーズ アジアのピレリのラバーグリップがF3のヨコハマタイヤとの相性が良いみたい(笑)」と言ったことが興味深かったですね。ブランパンGTだけではなくてランボルギーニのレースも行われていて、その全てがイタリアのピレリタイヤをワンメイク装着していたので、ピレリのラバーグリップで路面が<創られた>ようなのです。

F3レースが他のカテゴリーと併催だった場合、通常は国内最高峰のスーパーフォーミュラ(SF)との併催が多く、同じヨコハマタイヤのSF用タイヤのラバーが路面に乗っていて、F3ドライバーのコメントで「走りづらい」というのを良く聞きました。今回は、走りづらさは聞かなかったので、やはり国内F3のヨコハマタイヤは、ピレリタイヤのラバーグリップと相性が良いということになります。<ヨコハマ>と<ピレリ>の相性が良いとは何か面白くありませんか?

共に世界的なタイヤメーカー。競合です。もし、同じカテゴリーに参戦していれば、完全なライバルメーカーです。それが、今回のようなシチュエーションでは<相性が良い>となったのですから、レースの世界もまだまだ分からないことが多いというか、奥が深いと思った週末でした。

photo

高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

お知らせ

【【モータースポーツが見放題!】】
J SPORTSオンデマンドなら
アンテナ不要!チューナー不要!

SUPER GT、WRC、スーパーバイク、
世界耐久選手権(WEC)など充実のラインアップ!
PC、スマホ、タブレットでご覧いただけます。

モータースポーツパック:月額1,800円(税抜)
※25歳以下の方は、U25割:月額900円(税抜)

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ