最終日のパリを除けば、今大会最後のスプリント・チャンスとなる今日のステージ。
終盤に向け次第に横風が強まる中、3人の逃げから飛び出したマチェイ・ボドナールの走りを、誰もが固唾を飲んで見守った。

ペーター・サガンとボドナールの出会いは、リクイガス育成チーム時代に遡る。少し堅苦しい印象のあるボドナールだが、東欧出身という共通項のためか、けっこう律儀で真面目なところのあるサガンとどこかしらウマが合ったのか、以来、仲間として戦友として、共にチームを渡り歩き、サガンを支えてきた。

2016年フランドルでサガンが初優勝したとき、その勝利を、フランドル直前に落車で負傷したボドナールに捧げたことを覚えている人もいるかもしれない。
(※ 正確には、フランドル直前に不幸にして命を落とした2人の若きベルギー人選手たちと、フランドル直前に落車でケガを負ったボドナールとに捧げた)

サガンと(ラファル・)マイカがレースを去りエース不在となったツールで、元国内TT王者は力の限りを尽くしてポーのゴールを目指した。

フィニッシュラインのずっと先では、ボーラ・ハンスグローエの広報担当が、携帯で動画を撮り続けながらその瞬間を待っている。
ヘリのプロペラの音がどんどん大きくなり、レースの終わりが近づいていることを知らせてくれる。ゴール前のスパートに、観客たちの歓声が湧きあがる。
ゴール直後の混沌の中、どこからともなしに上がる「キッテル!」「キッテル!」の声が、ボドナールの夢の終わりを告げていた。

マッサーから受け取った冷たい水を飲みほしてから、ボドナールはタオルで顔を拭った。タオルで顔が覆われた瞬間、そのほんのわずかな間だけ、落胆をこらえるような表情がのぞいたように思えた。



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寺尾 真紀
東京生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジ卒業。実験心理学専攻。デンマーク大使館在籍中、2010年春のティレーノ・アドリアティコからロードレースの取材をスタートした。ツールはこれまで5回取材を行っている。UCI選手代理人資格保持。趣味は読書。Twitter @makiterao

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