ツールには、『ビデオカンファレンス』というシステムがある。レース後、ゴール脇に設けられたコンテナの室内で、ステージ勝者と総合リーダーが記者の質問に答える、というものだ。このビデオカンファレンス室はプレスセンターと中継で結ばれていて、プレスセンターがゴールから遠い時など(別に遠くなくても)、移動の手間を省いて、遠隔で質問をすることもできる。同じ選手が総合をリードし続けたり、ステージ優勝を繰り返したときには、わざわざビデオカンファレンス室に行かなかったり、質問がそれほど活発に出なかったりということもある。

ゴール直前の逆転劇で、今日のビデオカンファレンスは2人ともが新しい顔ぶれとなった。

チーム広報に伴われて登場した新しい総合リーダー、ファビオ・アルは、ナッツ類が入ったポリッジ(おかゆ)をもりもり口に運びながら、イタリア人記者たちの質問に答えていった。フィニッシュラインで後ろを振り返り、フルームとの差に、マイヨ・ジョーヌ獲得の可能性を感じたこと。それが確信に変わったときの、ファンタスティックな気持ち。自分を支えてくれた家族と、ヤコブ・フルサングをはじめとするチームメートにその勝利を捧げたいこと。カーブを曲がりきれず芝生で滑ったあと、53x11のチェーンリングで走り出すのがとても難しかったこと。マイヨ・ジョーヌがどんなに嬉しくとも、「今朝レースに向かったときのファビオのまま」、静かで落ち着いた気持ちで明日のレースに臨みたいこと。

ビデオカンファレンスのあとはイタリアチャンピオンジャージ姿に戻り、表彰式用のマイヨ・ジョーヌをしっかと右手に握りしめたまま、バイクでチームバスに戻っていった。

アルに続いてロメン・バルデが姿を現した。日曜に勝てず、とても残念だったこと。ステージを勝ち、これから総合順位争いに集中していけること。5月にこの地を家族と訪れ、その知識を今日は生かせたこと。主催者の目論見通り、明日の100kmのステージは、たいへんなものになると思う ー。

軽やかに会見場をあとにしたが、なんと、ステージ優勝の花束とガラスのトロフィーが椅子の上に置き去りに。進行係が慌てて後を追い、優勝者の証は、ちゃんと戻るべきところに戻っていった。



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寺尾 真紀
東京生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジ卒業。実験心理学専攻。デンマーク大使館在籍中、2010年春のティレーノ・アドリアティコからロードレースの取材をスタートした。ツールはこれまで5回取材を行っている。UCI選手代理人資格保持。趣味は読書。Twitter @makiterao

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