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田村岳斗 -華麗なる舞-


男子の中村優、女子の細田について苫小牧に行っていました。
中村は体調に問題があり、あまりムリができない状態だったので
ジャンプ構成を変えて試合に臨みました。
個人成績は4位でしたが、それでも団体優勝に貢献できたと思っています。
これから少し時間ができるので、体作りをしっかりしていくことになります。

細田は、SPで最初のコンビネーションを失敗してしまい、
僕の予定していた順位ではありませんでした。
フリーでは会心の演技を見せて個人総合3位まで上がりました。
女子選手は、ジャンプ構成の難易度が下がってくる時期が、
男子に比べると年齢的に早い場合が多いのですが、
彼女は普段の練習としっかりとしたコンディション作りでそれを克服し、
大学4年生で自身最高難易度の構成を滑りきりました。
その姿勢は、後輩選手たちにも受け継がれていって欲しいです。

インカレの後は、インターハイ、国体、全中と続いていきます。
また、国際大会では、ユニバーシアード、四大陸選手権、
地元日本で開催されるアジア大会が行われます。

その他、海外では、まもなく全米選手権、欧州選手権が開催されます。
男子は、世界選手権、来年の平昌に向けて、
ネイサン・チェン選手やフェルナンデス選手が、
どれだけ4回転ジャンプ、プログラムの完成度を高めているかに注目しています。
今のアメリカ男子ではネイサン選手のように4発、5発の4回転を跳べる選手はいません。
ただ、彼にとっても全米はとっておきたいタイトルの一つでしょうし、
グランプリファイナルの結果から勝って当たり前と思ってしまいます。
その分プレッシャーも大きいと思います。
(全日本での宇野選手も終わってみれば得点差をつけての優勝でしたが、
苦労していました。)

一方、欧州男子はフェルナンデス選手の5連覇がかかります。
ヨーロッパには、まだ彼を脅かすほどのライバルが不在で、
普通に考えれば5連覇の可能性が高いのですが、
それでも5回もタイトルを維持し続けるのはとても大変なことです。

五輪の前シーズンということもあり、
まだ実績のない選手が思い切ったことをやって、急成長する場合もあります。
試合で結果を残して自信を付けたりすると、
一気にポジションを上げていく例が見られます。
(今シーズン、代表入りした田中刑事選手もその一人と言えるでしょう。)

勝って当たり前と思われ、確実に結果を出さなけらばいけない選手の戦い、
五輪シーズン前にポジションを一気に上げておきたい選手の戦い。
全米、欧州ではその2つの戦いが楽しめるでしょう。

それにしても苫小牧寒かった。

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あけましておめでとうございます。
2017年になりましたが、すぐに試合が始まります。
年が変わって祝っているほどの余裕は、今の僕にはありません。
特に2017年は、オリンピックの代表が決まる大事な年です。
また気を引き締めて、新しい年に臨んでいきます。

今年もよろしくお願いいたします。

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※カメラマンがヘタクソなのではありません。
モデルがジッとしていないだけです。

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全日本も終了して、まもなく2016年が終わります。
振り返ってみると、本当にいろいろあった年で、
悔しいことも反省点もたくさんありました。
でも、同じようにうれしいこともありました。
宮原の四大陸優勝、本田真凜の世界ジュニア優勝。
紀平がトリプルアクセルを試合で跳んでくれたこと。
白岩がケガをしたことはショックなできごとでしたが、そこから戻り、
ブランクがある中ですでに去年同様のレベルまで戻ってくれました。
2017年を迎えるに当って、一息つきたいところですがそうも言ってられません。
1月に入ってすぐにインカレがスタートします。

年末年始だからといって特に予定もありませんが、
12月は試合続きで家を開けることが多く、
とにかく部屋が散らかっています。片付けをしたら、
エイドリアンと冒険ごっこでもしようかなと思っています。

また、来年もよろしくお願いします。

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全日本男子は、宇野選手が初優勝しました。
おめでとうございます。

目標になっていた羽生選手が試合直前に棄権が決まりましたが、
おそらく、羽生選手に挑戦するつもりでこの大会に向けていたと思います。
戦う意識の切り替えが難しかったでしょう。
宇野選手はこれまでの実績からみれば、
自分が勝たなければいけないという思いは強かったはずです。
プレッシャーに加えて、調子は必ずしもよくはないように見えましたが、
なんとか1点でも多く取るという必死さが滑りから伝わってきました。
その必死さが今回のタイトルを引き寄せたのだと思います。

2位の田中選手。NHK杯での成績がすごく自信になっているのか、
この大会ではそれがうかがえました。
ミスはありましたが、その自信がいい結果に結びつきました。
4回転の試合での成功率も上がっていますし、
NHK杯で自信を付けて、この大会でさらに自信を深めて、
まだまだ成長が期待できます。

田中選手にとっては初めての世界選手権になりますが、
来年のオリンピックの枠取りもかかってきます。
羽生選手、宇野選手がいることで、
枠取りの面では少し余裕を持って戦えるかもしれません。

ただ、今回、絶対的エースの羽生選手が思わぬ出来事で出場できないなど、
全員が健康かつベストの状態で世界選手権に臨めるとは限りません。
健康であることもそうですが、
どんな状況になっても対応できる心の準備もしておくことが大切です。
それをすることが自分のためでもあり、日本のためにもつながっていきます。

今年の全日本は、うちのチームから3人の男子が出場しました。
8月からうちのチームに加わった中村優は、自己最高の6位に入りました。
なんとか格好がつく順位になり、ホッとしています。
素直に話を聞いて、向上心のある選手です。
今の男子の技術進化に付いていこうという気持ちはあるのですが、
まだ4回転に挑戦するまでの体になっていません。
1年はかかると思っています。
もう1つ上の順位を狙うには、4回転と確実なトリプルアクセルが必要ですが、
あせらず、体づくりと技術を上げていくことのバランスをとりながら、
取り組んでいきたいと考えています。

本田太一は、久しぶりの全日本でした。
進路の不安などもあり、スケートへのモチベーションが落ちていた時期もありました。
でも、気持ちが乗ってきたら、トリプルアクセル、
さらにトリプルトウループとのコンビネーションまで跳べるようになりました。
もともとお調子者の面もあり、技術的にはコンビネーションの上手な選手でしたが、
できなかったことができるようになった途端、スケートがおもしろくなってきたようです。
今回、自身最高の12位まで上げて来ました。
本人も4回転を習得したいという意欲も高まっています。
もともと能力は高いはずなので、また来シーズン楽しみな選手です。

山田耕新は、25位と残念ながらフリーへは進めませんでした。
ただ、みなさんもご存知の通り、彼は仕事を持ちながら、
氷上練習は週2回、多くて3回ぐらいで、
あとは陸上でできるだけのことをやっていました。
フィギュアスケートの中では異色の選手で、
彼のチャレンジには多くの人が注目していたと思います。
しかし、そこでいい成績を出すには、練習量が足りていないのは事実です。
あの練習量で全日本まで辿り着いていることが奇跡です。

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全日本が終わりました。
うちから出場した7人の選手はそれぞれ力を出してくれました。

宮原知子の今回の目的は勝つ事。

" 狙って勝つ。"

それがどれだけ大変なことか覚悟した上で、
あえて順位を意識するようにしていました。
普通であればそういう考えをしないようにするところかもしれませんが...。

勝って当たり前と思われる状況で、
さらに自分にプレッシャーをかけて彼女は勝ってくれました。

今回の演技、滑り自体には僕たちに「満足」「納得」「感動」はありません。
フィギュアスケートに限らず、
すべてのアスリートがすべての試合で観る者を感動させて、
自身も「満足」「納得」し、勝利することはほとんど不可能だと思います。
もちろんそれが理想ですが、現実はそう簡単ではありません。
この大会2連覇中の宮原の立場上「勝つ事」が第一優先。
それをするために長い時間をかけて準備もしてきました。
そして、その目的を達成してくれたことに、僕は「納得」「満足」しています。

タイトルを守り、3連覇を達成したことはとても価値があります。
世界選手権には今まで2回出ていますが、
この状況を勝ちきったことで、ようやく3回目にして世界と戦う準備ができたと感じています。

総合4位に入った本田真凜は、
先シーズンの世界ジュニアチャンピオンなだけに、
代表落ちさせるわけにはいきません。
今年は全日本ジュニアでも3位でしたし、
ジュニアGPファイナルには進みましたが滑ることができませんでした。
インフルエンザにかかり、十分な練習時間もとれず、
不安が大きい中で、世界ジュニアの代表になれたことにホッとしています。
真凜に関しては、本当に僕には読めないところがあり、
試合によって天使が出るか悪魔が出るかわかりません。
今回も想定外の部分がありましたが、結果的に天使が出ました。
ただ、毎回うまくいくとは限らないのがフィギュアスケートです。
それでも、まだまだ未知数の力を秘めている点は、とても魅力的な選手だと思います。

白岩優奈は、SPで17位と出遅れましたが、
フリーで挽回して6位に入ることができました。
SPでは多くの方がスピン中の手袋の不運ばかりに目がいくと思いますが、
ダブルアクセルの失敗はその前の事で、見逃すことができません。
それまではとてもいいジャンプだっただけに、
試合中に集中力を欠いたジャンプを跳んでしまったのは反省点です。

手袋は僕も予想できなかったことですが、
例え手袋の事があったとしてもダブルアクセルさえしっかり跳んでいれば、
もっとラクな試合展開だったはずです。
僕の立場上、今後のためにも不運だったでは片付けられないSPでした。

フリーに入る前、彼女には技術的なことは言わず、
「確実に順位を10コ上げろ!その能力はある」と言いました。
先シーズンの成績は5位で、真凜同様世界ジュニア出場もかかっていますから、
彼女もまたこのまま終わらせるわけにいきません。
結果としては、僕の要求以上の11コ順位を上げて世界ジュニア出場権も獲得。
目標を達成して、期待に応える滑りを見せてくれました。
あとは、SPをしっかりと滑ってメダル争いのプレッシャーの中で、
今回のフリーと同じような演技をすることが重要です。

15位になった細田采花は、目標を15位以内に設定していて、
その通りの結果を出してくれました。
15位以内は来シーズンの枠取りに貢献できる順位でもありますし、
彼女自身もその順位は自身最高位。大学4年ということもあり、
おそらく最後の全日本という中で、いい形で結果を出して欲しいと思っていました。
普段からよく練習をする選手で、僕の厳しい言葉をいちばん受けてきた選手でした(笑)。
ショートプログラムでは1番滑走という当たりくじを引いてくれたので、
「コーチ思いでありがとう。おかげで朝早く起きて健康的だ。」と声を掛けました。

細田は、普段から宮原、真凜、白岩たちのムード作りをしてくれる選手で、
今回の試合でもチームのムード作りも果たしてくれたことで、
他の選手たちの結果にもつながったと思っています。

それにしても今年の全日本、男子SPは中村優が最終滑走。
女子SPは細田が一番滑走。
金曜日は、朝6:20の公式練習から夜の21:00過ぎまで、
土曜日もほぼ同様でしたが、
「最初から最後まで」試合でリンクにいた時間の新記録かもしれません。

男子については、また次にします。

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プロフィール

プロフィール写真【田村岳斗】
1979年5月28日生まれ。プロスケーター&コーチとして活躍する男子フィギュアスケーターの第一人者。高校3年時(1998年)に長野五輪出場。全日本選手権優勝2度の実績を持つ。現在は、関西を拠点に、未来のメダリスト育成に務める。

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