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田村岳斗 -華麗なる舞-


バヴァリアンオープンの間に行われていた四大陸選手権は、
全米チャンピオンのネイサン・チェン選手が初優勝を果たし、
羽生選手は2位、宇野選手が3位となりました。
このところ男子シングルの技術の進化が速く、
今回の四大陸選手権では、シーズン途中でも
どんどん技術が進化することを見せた大会となりました。
これまでは300点を超えれば間違いなく優勝でしたが、この試合では2人が300点超え。
3位の宇野選手も、今後300点を超えていく可能性を感じさせました。
300点を超えるだけでは優勝できないということにも驚きです。
4発、5発と4回転を入れているだけでなく、
今回のネイサン・チェン選手のフリーで言うと、
4回転5発は全米選手権でも跳んでいますが、
その時よりもトリプルアクセルが1本増えています。
シーズン中に内容が難しくなっているということです。
しかも最後のジャンプがトリプルアクセル。
羽生選手も構成を変更して4回転を4発キメています。
1発失敗したけれど,再度チャレンジしての成功。
それだけ内容が濃く、難しくなっています。
3位の宇野選手も4回転ループを初めて入れて、それを見事決めていました。

今回の上位の3選手は、少なくとも3種類の4回転は確実にものにして、
それを何回跳ぶかという勝負になってきています。
それだけでもとんでもなくすごいのですが、
増えた4回転に押し出される形でトリプルアクセルがどんどん後半になってきています。
羽生選手、ネイサン・チェン選手も最後のジャンプが2本めのトリプルアクセルとなっています。
4回転トウ、トリプルアクセルは、ちょっと前で言えば、
演技の頭でもっともフレッシュな状態で挑むジャンプでした。
彼らは演技後半のいちばん大変なところでそれをやる。

新しく手に入れた4回転以外のエレメンツや体力、精神力もまた、大きく進化しています。
彼らの中では、体力を考えなくても高い集中力を持っていなくても、
トリプルアクセルや4トウループはいつでも跳べる状態なのかもしれません。
そのレベルになっても必ず勝てるわけではない。
選手にとっては凄く大変な、観ているほうには凄く楽しい、そんな時代の到来です。

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ドイツで行われていたバヴァリアンオープンに
中村優(しゅう)と行ってきました。
彼との国際大会は初めてでした。
試合ではSP、フリーともにトリプルアクセルを跳んで総合3位。
その他ミスがあり演技全体としてはまだ満足していません。
それでも、もらったチャンスをしっかりといかして
表彰台にのってくれたので、ホッとしています。

ドイツに行っている間、四大陸が行われていて、結果は耳に入っていましたが、
男子はシーズン中でもものすごいスピードで技術進化を続けています。
優も来シーズンに向けて、その進化に付いていけるようにまずはカラダをしっかりつくります。


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※選手に掲載許可は得ています。

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今大回は、羽生選手、宇野選手、
アメリカのネイサン・チェン選手、そして中国のボーヤン・ジン選手という、
今、世界をリードする4回転ジャンパーが揃う大会となります。
10年前はせいぜい2種類。それも跳べたのは3、4人です。
今や2種類以上跳べる選手が何人いるの?というぐらいになってきました。
その進化に驚くばかりです。
それを試合に入れて決められるのですから、本当にすごいことです。

今シーズン跳び合いでいえば、ネイサン・チェン選手、
ボーヤン・ジン選手がリードしている感じですが、
羽生選手もそれを見て燃えているでしょうし、
宇野選手も全日本のタイトルを獲った勢いとその自信も持って
さらなる進化を見せてくれるでしょう。

世界フィギュアを前に、それぞれがどんな滑りを見せてくるのか注目しています。

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うちのチームからは本田真凜、白岩優奈の2人がフリーまで進みました。
(全中はフリーまで進むのが本当に大変なんです。)
真凜は今シーズンは2位、3位という結果が多く、
今回の優勝が、次への意欲、自信につながってほしいと思っています。

ジャンプでは他の選手に跳び負けていましたが、
コンポーネンツスコアに救われる結果になりました。
ただ、この部分をいつまでもアテにしているわけにはいきません。
ジャンプに自信がつけば、余裕ができた分スピン、
ステップ、演技や振付け、技と技のつなぎなどにもっと意識を向けられ、
コンポーネンツスコアにもいい影響があると思っています。
(まずジャンプの自信の部分が誰にとっても大変ですが。)


4位になった白岩優奈は、国体からの連戦でコンディションが
万全ではない中での出場になりました。
今回の第一優先はこれ以上状態が悪くならないようにする事。
それを守った上で今やれる事はしてくれました。


2人は少し休んでから世界ジュニアに向けた練習が始まります。
真凜は前回チャンピオンですから、目指すところは1つ。

優奈は前回4位で表彰台を逃して、悔しい思いをしています。
表彰台への気持ちは強いでしょうが、今はアツくなりすぎず、状態を上げていく事。
ベストコンディションで戦えればチャンスはあると思っています。
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※選手に掲載許可は得ています。

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欧州選手権男子は、スペインのフェルナンデス選手が5連覇を達成しました。
おめでとうございます。
過去にも5連覇の例があるのかわかりませんが、
勝ち続けることは本当に大変なことです。
彼の力からすればベストパフォーマンスからは遠い内容だったように思います。
それでも試合で勝って結果を出すことは選手に自信を与えます。
彼は世界選手権でも連覇中ということを考えると、
ここから調子を上げていける選手です。
3月の世界選手権に向けて、いいはずみとなるのではないでしょうか。
2位はコフトゥン選手、3位はコリヤダ選手というロシア勢が入りました。
2人ともフリーで2種類の4回転を入れたプログラムやってきましたが、
しっかり決めたコフトゥン選手が2位に入りました。
コフトゥン選手はもともと4回転が得意な選手でしたが、
演技の途中で彼らレベルでは簡単なはずのジャンプでミスをすることがあります。
今回も4回転を2発決めていい流れの後、ルッツが2回転になってしまい、
もったいないと思わせるところがありました。

コリヤダ選手は2発とも4回転をうまく決められませんでしたが、
彼は昨シーズンの世界選手権では、4回転を1種類2発跳んだ上で
完成度の高い演技をしていたと思います。
ここにきてもう1種類増やすことの難しさを感じているのかなと思います。
4回転を複数回跳ぶ選手が増えてきていますが、
それだけではなかなか勝てないのが今の男子シングルです。

それにしても今回の欧州選手権は、来年の五輪を前に、
選手がかなり入れ替わってきたという印象の大会でした。

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プロフィール

プロフィール写真【田村岳斗】
1979年5月28日生まれ。プロスケーター&コーチとして活躍する男子フィギュアスケーターの第一人者。高校3年時(1998年)に長野五輪出場。全日本選手権優勝2度の実績を持つ。現在は、関西を拠点に、未来のメダリスト育成に務める。

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